めも

主にUnity

VR180カメラで写真が撮りたい!

注: カメラ初心者です。間違いがあったらすみません。

基礎知識

IPD

  • IPD(Interpupillary Distance)にはNear IPD(NIPD)とFar IPD(FIPD)があり、両者は3mm程度差がある。1 VRでは恐らくFIPDを使う。
  • 人間のIPDは国内の統計によれば18~34歳で64.1±3.0mm2であり、海外の統計によれば20代あたりまでは年齢とともに増加するようである。

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カメラ

カメラのセンサーサイズ

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幾何光学?

  • 曲率一定の曲面による反射

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$$ n_{1} \sin \theta = n_{2} \sin \theta \iff n_{1}(\alpha + \theta) \approx n_{2}(\phi - \beta), \alpha \approx \frac{h}{u_{o}}, \beta \approx \frac{h}{u_{i}}, \phi \approx \frac{h}{R} $$ より $$ \frac{n_{1}}{u_{o}} + \frac{n_{2}}{u_{i}} = \frac{n_{2}-n_{1}}{R} $$

入射側,透過側の曲率(curvature)を$R_1,R_2$とし、$u$: 被写体距離, $u'$: 入射側より先の屈折率が$n$であったとしたときの焦点距離(thin lens approximation), $u_{o}$: 焦点距離とし、($(u,u',1,n),(u',u_{o},n,1)$に対して上式を2度使い$u'$を消去すれば、以下の式が得られる。 ガウスのレンズ公式 証明 - あなばブログ

  • レンズメーカーの式(lensmaker's equation)

$$ \frac{1}{f} = (n-1)\left(\frac{1}{R_{1}} - \frac{1}{R_{2}} + \frac{(n-1)d}{nR_{1}R_{2}}\right) $$

  • レンズの公式(thin lens formula)

$$ \frac{1}{f} = \frac{1}{u_{o}} + \frac{1}{u} $$

「全群繰り出し」「フロントフォーカス」「リアフォーカス」「インナーフォーカス」の4種類がある。8「全群繰り出し」は焦点距離が不変だが、その他は被写体距離に応じて焦点距離が変わる。これを「ブリージング」という。^focus-type-3

$F$: カメラレンズの焦点距離表示,

$$ f = \begin{cases}F & \text{全群繰り出し} \\ F (1 + \frac{u_{o}}{u}) & \text{otherwise}\end{cases} $$

$f$: 焦点距離(focal length), $N$: F値(f-number), $D$: 有効口径(直径)(effective aperture)

$$ N = \frac{f}{D} $$

  • 画角

画角は像側、被写体画角は物体側の角度によって決まる。

$\alpha$: 画角(angle of view, AOV), $alpha_\infty$: 無限遠画角, $d$: 指定方向のセンサーサイズ

$$ \alpha = 2 \tan^{-1} \frac{d}{2f(1 + \frac{u}{v})} \left( \to_{u \to \infty} 2 \tan^{-1} \frac{d}{2f(1 + \frac{v}{u})} \approx \frac{f}{d} \right) $$

$\alpha'$: 被写体画角, $h$: 被写体サイズ

$$ \alpha' \approx \frac{h}{d\frac{u}{v}} = \frac{hf(1 + \frac{v}{u})}{du} \approx \frac{hf}{du} ( u \to \infty ) $$

  • ボケ(bokeh)

$(u,v,f)$がレンズの式を満たしている状態で、$v'$を焦点にもつ被写体距離$u'$の被写体の$v$における錯乱円直径(circle of confusion, COC)$c$を求めたい。相似を考えて

$$ \frac{c}{D} = \begin{cases}\frac{v - v'}{v'} & v' < v \\ \frac{v' - v}{v'} & v' > v\end{cases} = \frac{|v-v'|}{v'} $$

$$ \frac{1}{f} = \frac{1}{u'} + \frac{1}{v'} $$

$v'$を削除すると以下のようになるらしい。

$$ u'_{\mp} = \frac{uf^{2}}{f^{2} \pm \frac{f}{D}c (s - f)} $$

9 ここで錯乱円画角(独自用語)は

$$ \gamma = \frac{c}{d} $$

複数の被写体をボケずに写せるかどうかを調べたい。

$DOF$: 被写界深度(depth of field, DOF), $u$: 被写体距離(distance to subject) $$ \mathrm{DOF} = u'_{+} - u'_{-} = \frac{uf^{2}}{f^{2} - \frac{f}{D}c (s - f)} - \frac{uf^{2}}{f^{2} + \frac{f}{D}c (s - f)} = \frac{2f^{2}Ncu(u-f)}{f^{4}-N^{2}c^{2}(u-f)^{2}} \approx c \frac{u^{2}}{fD} $$ 10

背景ボケを調べたい。 $b$: 背景錯乱円直径(background blur disk radius) $$ b = \lim_{u' \to \infty} \frac{f^{2} - \frac{uf^{2}}{u'}}{\frac{f}{D}(u - f)} = \frac{fD}{u-f} \approx \frac{cu^{2}}{\mathrm{DOF}(u-f)} \approx \frac{fD}{u} $$

  • 光量

$H$: 光量, $T$: レンズ透過率, $L$: シーン輝度, $v(\theta)$: ケラレ係数

$$ H = \frac{qLt}{N^{2}} = \frac{qLtD^{2}}{f^{2}}, q = \frac{\pi}{4}T v(\theta) \cos^{4} \theta $$ 11

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n倍するもの 被写体の占める画角 背景の占める画角 1センサー当たり明るさ 被写界深度 背景ボケ ノイズ
センサーサイズ 1/n 1/n 1 n 1/n 1
センサー画素密度 1 1 1/n2 1 1 1
有効口径(レンズ固定時のF値の逆数) 1 1 n2 1/n n 1
焦点距離 n n 1/n2 1/n n 1
シャッタースピード 1 1 n 1 1 1
ISO感度 1 1 n 1 1 n
レンズ透過率(NDフィルター) 1 1 n 1 1 1
輝度(ストロボ) 1 1 被写体のみn 1 1 1
被写体との距離 1/n 1 1 n2 1/n 1

帰結

要するに1つのパラメータを変えて、他のパラメータを変更することにより元通りの写真が撮れるかを検討したいわけである。 これらの値を$\log_n$したものによるベクトルの(部分)集合が張る$\mathbb{R}^n$上の部分空間で線形代数ごっこをすると(別に線形代数を持ち出さなくても良いが)いくつかの結論が得られる。

  • センサーサイズを小さくすると、被写体に近づいて[圧縮効果減少(かつ遠近歪み)]を起こすか、焦点距離を下げて[被写界深度の上昇(=背景ボケの低下)]を起こさなければならない。更に同じ解像度を用いる場合、センサー画素密度が上がるため、1センサー当たり明るさを上げる必要があり、これ以上レンズ透過率・シャッタースピードを上げられない場合、[ノイズの上昇]が起こる。
  • ストロボは被写体の明るさと背景の明るさの比を変えるための唯一のパラメータである。
  • 明るさを変えるためのパラメータがとても多い。

人物撮影における変数決定の手順(要出典)

決めるもの 調節するもの
光の柔らかさ ディフューザー
HSS(後述)を避けたい シャッタースピードを1/100にする
被写体の画角 焦点距離
背景が邪魔か/人数 絞り
背景の明るさ ISO感度,NDフィルター
人物の明るさ ストロボ

作り方

既製品or自作, カメラorアクションカメラで4通りに大別できる。

魚眼レンズ

  • VR180写真を撮るには、レンズは周囲180度の光を映す必要がある。このような魚眼レンズを特に円周魚眼レンズ/全周魚眼レンズと呼ぶらしい。
  • 魚眼レンズには複数の種類があるが13、一部の例外を除き、APS-Cサイズであれば焦点距離が4.2-5.9mm(以下), フルサイズであれば焦点距離が6.0-8.5mm(以下)であることが円周魚眼レンズであるための必要条件である。14
  • 円周魚眼レンズはかなりマイナーである。
  • APS-C用対角魚眼レンズをフルサイズセンサーカメラに取り付ける方法もある。
    • 境界付近に「ケラレ」が発生する可能性がある。15

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  • 但し、上手く行った例もある。

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MFT用Samyang 7.5mm f3.5 + Eマウント変換キット + α7R III

Samyang 8mm f3.5 fisheye + α99では上下が少し途切れるらしい。[^fisheye-3]

要件

順に絞り込んでいこう。

レンズマウント

  • 2つのカメラを傾けて撮影することも可能だが、不格好である。実用的には、2つのカメラ間のマウント厚を3mmとして、レンズの中心点とカメラの上面/底面との距離が(64 - 3)/2=30.5mm程度以下であることが必要。(無理やりテープでくっつけるならば、32mm以下であることが必要。)
  • レンズマウントの直径は少なくとも60mm程度以下でなければならない。しかし、普通は内径のほうが興味の対象であり、外径に関する情報があまりないが、部分的にまとめた方がいらっしゃった
カメラのキタムラで数が多い順18 外径19 内径[^mount] 可否
マイクロフォーサーズ(MFT/M4/3) 52 40 o
キャノン RF 69?20 54 x
ソニー FE=ソニー E 58 46 o
キャノン EF-M 58 47 o
フジフィルム X 55 43.5 o
ニコン Z 65.421 (但し黒い樹脂?部分を含めると75程度ありそう?) 55 x
ニコン 1 - 36 ちっさ
フジフィルム G - 65 x
ペンタックス Q - 29 ちっさ
  • SONY FEレンズのFはフルサイズのFであるため、当然フルサイズのものがある。α7cなどは非常にコンパクトに見える。(高い!!!)
  • キャノン EF-Mマウントのものは基本的にAPS-Cであると思われる。(フルサイズがあるかは不明。)
  • フジフィルム Xのものも基本的にAPS-Cであると思われる。(こちらも不明。)
  • マイクロフォーサーズは名前通りマイクロフォーサーズのみであると思われる。
  • ニコン 1は名前通り1型センサーを使っている。

ということで、SONY α7シリーズを使わない場合、APS-Cマイクロフォーサーズを使うことになると思われる。

α7 (60k)はぎりぎり使えるか?

α7は三脚用の穴が光軸のちょうど下にあるため、うまくいけばカメラ間の距離を0mmにできそうな気がする。 しかし、長さを測ってみたところ、上記の「外径」は金色の縁を含んでおらず、中心部から底面への距離は23+12.5mm程度あり、どうしてもレンズ間距離は71mm以上となってしまう。$\frac{71}{64}\approx 1.11$。これをどう見るかである。

https://eleif.net/photomeasure

α7c (とても高い)は使えるか?

金色の縁を含むと61mm程度となると思われる。 上面と金色の縁の間は2mm程度に見えるため、レンズ間距離65mmを達成できるが、アクセサリーシューが使用不能となってしまう。

カメラを傾ける?

魚眼レンズの主点(nodal point)は角度によって異なるため、角度によってICDや見かけの大きさが異なる画像が得られる。 α7 + SAMYUNG 8mmを用いる場合、0°~見かけ約150°で主点は8mm程度異なり、レンズ高さ70mmを使い幅を合計7mmを縮めるとすれば、主点は$\frac{7}{70 \cdot 2} \cdot 8 = 0.4$mmずれる。この程度なら全然アリかも?

レンズをずらす?

内側方向の視野はあまり要らないとみて、レンズを3.5mm内側にずらす。 高そう?マウントだけで売ってない?3Dプリンターは?ピントが合わなくなる?

レリーズ

  • 2つのボタンを同時に押すのは難しいようなので、レリーズに対応していなければならない。

この互換性がとてもあるリモートスイッチの「互換性」の項が有用だと思う。

アクセサリーシュー/ホットシュー/マルチインターフェースシュー(SONYによる呼び方)

  • Canon: EOS M5 / M6MkII / M6。M5: 43.7k~, M6: 39.5k~
  • SONY: α1/7/9/6000シリーズ。α6000: 40k~, α6100: 58.8k~
  • LUMIX: 全部ついてそう?
  • OLYMPUS: 全部ついてそう?

SONYで組もうかと考えていたが、もしやマイクロフォーサーズのほうが良いのだろうか????

レンズ候補

ストロボの同期

  • ストロボは通常キセノンランプに充電したコンデンサを用いて瞬間的に高電圧を掛けることで発光するという仕組みを取る。22
  • ストロボの発光時間は有名なTT600では1/300~1/20000秒であり、光量によって異なるらしい。非常に詳しい表によれば、1/4以下で使うと大体1/2000秒未満の発光時間となる23ため、大まかに言えばシャッター速度よりは速い。
  • 電子シャッターでは、普通1/200秒程度未満のシャッタースピードを用いる場合、先幕と後幕が同時に走る、つまり全てのセンサーが光を感知しているタイミングが存在しなくなる。そのため全体にわたって明るさが一定である写真を撮るためには、ストロボは一定周期で複数回発光する必要がある。これをハイスピードシンクロ(HSS)と呼ぶ。HSSを使うとストロボの寿命が低下する。24
  • 人物撮影では手ブレ防止の為1/100秒以下のシャッタースピードを用いる25ため、HSSを避けるとシャッタースピードは1/100~1/125秒程度に固定されてしまう。[^cosplay]
  • (ついでにメモするが、背景をぼかしたいことが多々ある。被写界深度を下げるために絞りを下げ、ISOを調節する。屋外などで、ISOが最低値であっても背景が白飛びする場合はNDフィルターを用いる。[^cosplay])

  • 分岐させたケーブルレリーズを用いても、完全に同時に撮影することは難しいらしい。26この方はLEDライトを用いている。

  • フラッシュを複数のカメラと同期する 6 つの方法 — Xangle Camera Serverにいくつか対策が書いてある。とにかく普通ストロボは先幕か後幕が走るタイミングで光るが、これをその中間で光るようにしたい。
  • GODOX X1には0-100×0.1ms, X2には0-99×0.1msの遅延機能があるが、X Proにはない模様。

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先駆者の方々


  1. https://www.webmd.com/eye-health/pupillary-distance
  2. https://www.airc.aist.go.jp/dhrt/head/index.html#stats
  3. (PDF) A study on the normal values of inner canthal, outer canthal, interpupillary distance and head circumference of 3-21 years ijaws
  4. Mean interpupillary distance (mm) values in various age groups  | Download Table
  5. 雑記帳 その18
  6. イメージセンサーの大きさの違いと特徴 | 姫野ばら園 八ヶ岳農場
  7. 2.4: Images Formed by Refraction - Physics LibreTexts/University_Physics_III-Optics_and_Modern_Physics_(OpenStax)/02%3A_Geometric_Optics_and_Image_Formation/2.04%3A_Images_Formed_by_Refraction#Equation+20:+Refraction+at+a+convex+surface)
  8. インナーフォーカスのレンズについて|カメラ買取・販売専門店のナニワグループ
  9. 【幾何光学】前方/後方 被写界深度の導出など - 溶けかけてるうさぎ - BLOG
  10. 被写界深度 - ウィキペディア
  11. Film speed - Wikipedia
  12. エレクトロニクス | 無料の全文 | 民生用カメラのRAWファイル解析に基づく写真ノイズ性能測定
  13. Fisheye lens - Wikipedia
  14. Fisheye lens - Wikipedia
  15. https://www.dpreview.com/forums/thread/4593599
  16. (1) Fisheye Apsc / Full Frame Sony : AskPhotography
  17. (1) Experiments with the Samyang 7.5mm ƒ3.5 : SonyAlpha
  18. カメラのキタムラ|【中古】ミラーレス一眼 在庫一覧
  19. レンズマウント外径・内径とフランジバックの一覧 | Amazing Graph|アメイジンググラフ
  20. キヤノン、APS-C高倍率ズーム「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」。6.8万円 - デジカメ Watch
  21. A quick update on the rumored Nikon full-frame mirrorless camera Z-mount - Nikon Rumors, Talk:Nikon Z-mount - Wikipedia
  22. エレクトロニックフラッシュ - Wikipedia
  23. (16) #103 ストロボの閃光時間、11機種を比べる! - YouTube
  24. (16) その1/屋外のコスプレイベントは逆光+絞り開放+ストロボで盛れる! - YouTube
  25. 【3分で読める!】被写体ブレしないカメラのシャッタースピード | コスP!
  26. VR180カメラを作る その1 | Simulator Laboratory "SEALS-海空陸宇宙-"